水の都ローベルク(エリオット)

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水の都ローベルク(エリオット)

 翌日早朝、二人で簡単な旅装を整えてそれぞれ馬で出た。  そうして途中で休憩を挟みながらその日の夜、無事にローベルクの町へと到着した。  ローベルクは古い都だ。白い石材の大きな関所を通ると正面に、大きな教会が鎮座する広場がある。ここがメイン広場になるのだ。  家々は統一された白の石材で作られ、橋もそのようなもの。大きな水路が作られた所をゴンドラが進んでいく。水際の家には陸に通じる入口の他に、水路に面した船着場があるくらいだ。  入ってすぐの教会前、メイン広場は何やらランプで飾り付けられ、簡易の椅子やテーブル、ワゴンに飲み物や食べ物を積んだ屋台が出て、色々な人々が集まって楽しげにしていた。 「音楽祭ですね」  アマチュアの音楽家が奏でる音楽に合わせて踊る人々の楽しげな様子を見て、エリオットはニッコリと笑う。その隣ではオスカルが頷いていた。 「賑やかだな、やっぱり。明日には何処かの会場に行ってみる?」 「そうですね」  素敵なお誘いに微笑んで、今日はとりあえず宿に向かう事にした。     
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