サイタマ異界化物語 ー魔王城は築57年ー

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 物語序盤でのヒューゴの立場はあくまで「駆け出しのツテも知名度もない役者」です。  それであるなら序盤の腰の低さも納得できます。  ですが、読者からすると役者であることより「ほんものの魔王」であることの方がインパクトが強いです。  「なんで魔王なのにそんなに腰が低いのか」という疑問を常に持たせます。  その答えがないまま話を進めると恐らく読者はヒューゴの数々の行動の理由に納得ができないまま話を読むことになります。    魔王なら強いんだから力で何とかすればいいのになんでしないの?⇒人間が権力を持っている世界だから歯向かうと多勢に無勢で殺されてしまう。    人間が権力を持っている?これは魔王が敗北した世界のRPGの世界なのか?⇒ここはあくまで人間界であり圧倒的に技術・頭数で人間が優性である。    撮影用に保護された自然がある…?撮影ってこの世界でそんな重要なの?⇒この世界ではなく、撮影用の村であるから撮影のため保護しなければならない。    というか魔王が役者目指しているってどういうこと?⇒ヒューゴ(魔王族)が魔界に居た時に見た映画の俳優に憧れてわざわざ人間界に来たから魔王の肩書は基本人間の社会的には無意味。  これらの疑問に後から答えが出てきます。  そして、その頃には読者は感じた疑問を忘れてます。それまでの話は『なんとなく』読み進められます。  全部逆なら問題ないです。 『撮影村は人間の領土の一部でしかなく、魔王は役者になりに単身魔界からやってきた。』  これならすんなり飲み込め『逆境にいる主人公を応援したくなりながら』読めたと思います。   かなり読者のキャラクターへのめりこむ姿勢が違ってくるのがわかるかと思います。
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