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隠婆駅 ~始発~
皆さんは“姥捨山”って知っていますか?
姥捨山に捨てられる人間は怨霊になって人を祟ったりする事は今までに例がない。婆や爺は捨てられる覚悟が出来ている事が多い。子の為に孫のために捨てられる彼らは成仏する事が出来ている事がほとんどである。
『隠婆駅』のストーリーは前例にない“怨霊になった婆の話”である。
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日頃からの深夜までの仕事の疲れからか寝過ごしてしまったようだ。
「明日からも仕事だっていうのにさ… っと、次の電車は・・・」
男は時刻表を見てみるもそこには電車の時間が記されていなかった。んなわけないだろ ともう一度確認しても過去の景色を写したかのように変わらない。
「まじでなんなんだよ… どうなってんだ畜生。」
知らない駅にただ一人、電車はもう来ない、ホームには人の気配も見当たらない。駅の名前が知りたくてホームを歩きまわっていると“隠婆駅”と書かれた駅名標を見つけた。どうやらこの駅で終点らしい。
「んだよ、もう… 誰かに迎えに来てもらうか…。」
見渡してみても暗すぎて何も見えない。ただ山に囲まれた貧相な場所にある駅だと男は思った。
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