偽物と本物

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「あ、そっか。もしかして、忘れちゃった?」 彼は、顔を上げて俺に向けてニコリと微笑む。 この笑みをどこかで見た気がする。 懐かしい感じがする。 「……なんで? 好きなのに。ずっと好きなのに。ねえなんで!? 笑ってくれてたじゃん!」 楽しかったんだよ。今日まで。 本当に、好きな時間だったんだよ。 親身になって聞いてくれて、でもあれは偽りだった。 信じてた人に裏切られたんだ。
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