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「うーん…」  準備を終えた瞳は、腕を組んで考え込む。  同じ年頃に見えたが、学校では見たことがなかった。あれだけの高身長だと目立つはずだ。と言うことは、隣の学校の生徒だろうか。中学校は隣の小学校の生徒と一緒になる。だとしたら、明日会えることが出来るだろうか。  なんとなく、彼のことが気になってしまっていた。 「……そう言えば」  瞳はふと、帰り際に言われた言葉を思い出した。  ――あんたは引き寄せやすそうだ。  あの会話の流れで、不自然に入り込んできたあの台詞。あの時は、少年の言い方に気が行ってしまい流してしまったが、話の脈絡としてはおかしい。 「引き寄せやすいって……何を?」  明日会うことが出来たら訊いてみようと、瞳は決めた。
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