僕の彼女

僕は恋をしてしまった。今まで一度だって無かったのに、興味を抱いたことすら
無かったのに、恋をしてしまった。
彼女を初めて見たのは、約２ヶ月前。　今が７月なので、５月ぐらいになるか。
時刻は午後５時頃だった。僕は部活動をやっていないので、いつもこのぐらいの時間に帰路へつくのである。
その日、僕はいつものように本を読みながら、自宅へと向かっていた。
しばらく歩いていると、目の前に交差点が見えた。道行く車たちは、僕たち歩行者が待っているとき、まるで、サッカーの試合のように目まぐるしく走っている。
そして、僕の前の信号は青を示した。その合図の後、車たちはおとなしくなる。
別に興味もないのだが、ふと、前にいる通行人を見た。
友達と話しながら楽しそうに歩いていく女子大生、腕時計を見ながら急ぎ足でどこかへ向かっていくサラリーマンと、いつも通り下校の時に目にする光景だった。
今日も何も変わり映えしない・・・
そう思いながら、横断歩道を歩く。だが、僕と同じように歩いていた一人に、ぼくは目を奪われた。