僕の彼女

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「そうだ、普通ヒョロヒョロの男が一人の女性を抱きかかえて走れるわけがねえ。それに、駅前から一番近い病院は車で10分ほどかかる。だが、スマホだったらどうだ。歩く負担はものすごく少なくなる。それに、スマホにとっての病院は携帯ショップだ。そんな場所は駅前には無数にあるだろう。それに救急車を呼ばなかったのも呼んでも救急隊員がスマホを直せるわけがない。全く役に立たないからだ。どうだ、辻褄が合うんじゃないか?」 「なるほどなー。お前、すげーな。おれは西田が覚醒してすげー女子と付き合ってるとばっかし思ってたぜ」 「ま、これで全然違ってたなら俺はとんでもないほら吹き野郎になるからな。このことは二人だけの秘密にしようぜ」 だが、彼らの推理は当たっていた。西田が「愛しています」と言った目の前には、ipone7・・・ 今月発売されたばかりの新型のスマホがあったのだった。
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