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となりにいる事が当たり前だった。
第三者から「お前らずっと一緒にいるよな」と言われれば「そういえばそうだな」ぐらいの認識である。
小学校低学年の時、
僕がピアノを弾けば、彼もそれに乗っかって歌ってくれる。
僕が学校から帰って来てすぐ、彼の方から「遊ぼう!」と、大袈裟なジェスチャー付きで声をかけてくれる。
高学年の時、
自然と僕の傍にいてくれるようになった。
確かに少しクラスの子にいじめられていたけれど、
彼はそれに勘づいていたのか、たくさん労わってくれた。
中学生の時、
一緒に遊ぶことが減ったけど、それでも無邪気な笑顔で僕の親友でいてくれていた。
僕が風邪を引いてしまったときも、心配そうにずっと傍にいてくれた。
高校生の時、
勉強でストレスが溜まりすぎて、彼に当たってしまうことがしばしばあった。その時は彼が好きなお菓子と一緒に謝罪の言葉を送っていた。
好きな人が出来た僕の話を聞いてくれたり、見守ったりしてくれていた。
でも、お別れにしてはちょっと早過ぎない?
「まだ君と居たかったよ。」
本当に神様は酷いと思った。突然の不幸。
最近見かけないと思っていたが、こういう事だったとは。
「じゃあ、天国で。」
また会うのは何年後かは分からないが、
また一緒に遊びたいと思っている。
「…バイバイ、"タマ"。」
名残惜しいけれど、静かに"愛猫のお墓"から
離れる。
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