第一章 世界はかくもまわり続ける

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第一章 世界はかくもまわり続ける

俺たちの住む世界は、不思議なことであふれかえっている。 毎日火をふいてる山があったり(これはヤマイヌが穴掘っていた)。 空に浮かんだ山から水が流れてきたり(水瓶のかごという。籠と加護をかけているため平仮名標記となる)。 毎朝近所のねこが「おはようにゃー」とか言って魚を焼いてたり(大抵近所の朝食の一部を担っている)。 不良学生・熊五郎(ただしアライグマである)が仙人(ただしフクロウである)に弟子入りしてたり(その後、正式に道場が設立された)。 太陽や月に神様がいるが、向こうには住んでないとか(誰も見たことがないからそうとは言えなかった)。 とにかく不思議なことだらけである。 俺の名前はシリウス。 覚えててくれな。 今年33才になったおじさんだ。 何度も言うが、俺たちの世界は「不思議」である。 次に「不思議」は「危険」である。 世界は不思議で、何が起こるか理解不能である。 だから、この世界に生きてる俺たちは「力」を求めた。 純粋な力であったり、魔法であったり、武器であったり、技であったり、知識であったり。 そういうので俺たちは世界に生き残ってきたのである。 ようは、「世界はお前に厳しいんだから、生き残りたいなら強くなれ」ってことだ。 あと、暗黙のルールではあるが「手に入れた力は傷つける為のものじゃない」というものがある。 ルールというよりは意外と広い世界全体の認識なのだが。 これがあるために、世界は一応平和を維持し続けている。 これもまた不思議のひとつだ。
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