スケ-ア-クロウ~scarecrow~
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俺がほほ笑むと、それに応えるようにカラスが小さく羽を震わせた。 行こう、この腐った世界では
遂
(
と
)
げられなかった思いが叶えられる場所へ。 「アァーッ」 俺が静かにうなずくと、流雨が天に向けて一声上げた。 間を置かず、俺を
炙
(
あぶ
)
り続けていた
陽射
(
ひざ
)
しが
陰
(
かげ
)
る。 見上げるとそこには傾きかけた太陽を背に羽ばたく、いくつもの黒い影。 最後に見たもの。 それは俺の元に舞い降りる、無数の黒い天使達の姿だった。
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