くたびれたお兄さん

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小学校の帰り道、よっぱらいみたいにフラフラしたスーツのお兄さんが目の前を歩いている。私はその人を知っていた。 「あざかみさん!」 「え……?」 振り向いた彼は目を真ん丸にする。 「あら、芽里(めり)ちゃんじゃないか」 「こんにちは!」 「こんにちは」 笑顔、だけどなんか体調が悪そう。 「病気?」 「あ、疲労が溜まっててね。仕事が今終わって、はは」 今多分夕方五時くらいなのに。 「お仕事そんなに身体がクタクタになるんですか?」 「うーん、そうだね。身体もだけど、心がね。昨日会社に泊まったんだ」 「お泊り?」 楽しそう。 「芽里ちゃんが思ってるようなお泊りじゃないよ」 どんなお泊り? って聞いたら「まだ知らなくていいよ」と言われた。
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