学校に訪れた不審者

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ぜんぜん威張れることじゃないのに胸を張るあざかみさんを前にして、私はもらったミトンを抱き締める。 「お返し、ありがとうございます……次はモンブランを作ろうと思ってるんです」 「モンブランも美味しいよね。前行ったケーキ屋さんのモンブランはね……」 ケーキの話をペラペラ喋り続けるあざかみさんの目はキラキラしていて、本当にケーキが好きなんだなと思った。 「十三歳差かぁ……」 「え、何が?」 「なんでもないです!」 一緒に話している時はそんなに歳が離れているのがわからないのにな、とちょっと残念になる。 十三歳の歳の差が突然気になり始めたのがどうしてなのか、私にはまだわからなかった。
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