くたびれたお兄さん

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「ざっはとるて……」 最近知った、表面がチョコレートでつるつるの大人っぽいケーキだ。 「あざかみさんが大人みたいなこと言ってる!」 「俺二十三歳だよ芽里ちゃん! ひどいよ!」 子供に大きな声で言い返してくるあざかみさんは、やっぱり大人に見えない。 「……じゃあ俺はもう帰るからね! 芽里ちゃんは寄り道せずに真っ直ぐ帰るんだよ!」 歩きながら手を振ってくれるあざかみさんを見て、ちょっとドキンとする。 今はちょっと、お兄さんみたいだった。
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