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「え?……えっ?」
理解したけど……理解できない!!
「いや、待って、待って! だって、佳月、彼女いるでしょ!?」
佳月は目を見開き、顔を赤くする。
「名前呼び捨てにされた。やべー。」
え、そこ?
いや、確かに私も、面と向かって名前を呼んだのって、小学生の時以来だったかもだけど!
「彼女なんかいねーし。」
佳月が気を取り直したように、でも、いつもよりちょっと乱暴に言う。
私は思わず勢い込む。
「嘘だよ。この前の連休中、商店街で一緒に歩いてた子、いたでしょ。ポニーテールのかわいい子!」
佳月はポカンとして私を見つめる。
そして、慌てたように首を振る。
「違う違う! あれはいとこ。2つ上の割と仲のいいいとこ!
女の子へのプレゼントなんて、何選べばいいかわかんなかったからさ、
買い物につきあってもらってただけなんだよ!」
今度は私がポカンとする。
……私の勘違い?
しかも、私へのプレゼントを買いに行っていたところ?
机の上の小箱に目を落とす。
「……芽惟?」
佳月のちょっと不安げな声に顔を上げる。
軽く眉をひそめ、心配そうに私を見る佳月と目が合った。
私をくすっと笑って告げる。
「私も、佳月に隣にいてほしい。」
佳月は優しい笑顔を見せ、私は照れくさくて俯いた。
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