3 想い

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「え?……えっ?」 理解したけど……理解できない!! 「いや、待って、待って! だって、佳月、彼女いるでしょ!?」 佳月は目を見開き、顔を赤くする。 「名前呼び捨てにされた。やべー。」 え、そこ? いや、確かに私も、面と向かって名前を呼んだのって、小学生の時以来だったかもだけど! 「彼女なんかいねーし。」 佳月が気を取り直したように、でも、いつもよりちょっと乱暴に言う。 私は思わず勢い込む。 「嘘だよ。この前の連休中、商店街で一緒に歩いてた子、いたでしょ。ポニーテールのかわいい子!」 佳月はポカンとして私を見つめる。 そして、慌てたように首を振る。 「違う違う! あれはいとこ。2つ上の割と仲のいいいとこ! 女の子へのプレゼントなんて、何選べばいいかわかんなかったからさ、 買い物につきあってもらってただけなんだよ!」 今度は私がポカンとする。 ……私の勘違い? しかも、私へのプレゼントを買いに行っていたところ? 机の上の小箱に目を落とす。 「……芽惟?」 佳月のちょっと不安げな声に顔を上げる。 軽く眉をひそめ、心配そうに私を見る佳月と目が合った。 私をくすっと笑って告げる。 「私も、佳月に隣にいてほしい。」 佳月は優しい笑顔を見せ、私は照れくさくて俯いた。
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