3 想い

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金曜日。 隣の席の佳月と組んで日直だった。 いろいろ用事を言い付けられる日で、終わった時には、教室に佳月と私しか残っていなかった。 「日誌、私が書いて先生のところに持っていくから、先帰ってくれていいよ。」 日誌を開きながら、そう言ったが、佳月の反応がなかった。 不思議に思って顔を上げると、前の席の椅子に跨がり、背もたれに腕と顔を乗せ、じっと私を見つめる佳月と目が合った。 「うわっ!」 びっくりして、思わずのけ反る。 佳月は、そんな私を見て、クスッと笑った。 「芽惟(めい)」 名前を呼ばれて、ビクッとする。 佳月が私の名前を呼んだのって、いつぶりだろう。 いつもは、「お前」とか、「ねえ」とか、「なあ」とか、そんなのばっかりだったのに…。
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