3 想い

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「お前、明日、誕生日だろ?」 私は目を見開き、驚く。 「……何で知ってんの?」 佳月は、覚えてないんだとまた笑顔を見せる。 「中1の時、英語の時間にさ、月の名前を教わる授業の時、隣の席だったんだよ。」 ……そうだったっけ? 「Mayって、お前の名前と一緒だなって、言ったら、5月生まれだからこの名前にしたんだって。単純だよねって、笑ってたんだ。」 思い出せないなぁ……。 「で、何日生まれ?って聞いたら、10日って教えてくれた。」 ドキッとする。覚えていてくれていたことに。 佳月は、すっと、小ぶりな細長い箱を私の前に置いた。 かわいいピンクのリボンがかかっている。 「誕生日プレゼント。」 私は訳が分からず、佳月の顔を見つめる。 佳月は思いの外、真剣な顔だった。
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