廃墟

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「無駄話をしている時間はないぞ」 3701号はコントロールパネルの前に足を運び、モニターのチェックにかかる。ニュータイプには宗教的な観念は教えられておらず、ミイラ化した遺体を恐れることもなければ死を悼む気持ちもない。ただ、彼が使命を果たそうとしたことに対する敬意の念はあった。 「敷地内のモニタリング装置は無事だが、やはり原子炉建屋内のセンサーの大半は死んでいる。生きているのは建屋地下の温度計ぐらいのものだ。新しいセンサーを取り付ける必要があるな」 「想定通りだ。行ってくるよ」 3703号は、3705号と3709号を連れて原子炉建屋内にセンサーを取り付けに行き、3707号がコントロールパネルに外部出力装置を取り付ける。 「3702、聞こえるか? 取りあえず既存で生きているセンサーのデータを送る」 3701号が合図を送ると3707号が外部出力装置の電源を入れた。 「データは届いたか?」 「あぁ、届いている。このまま機構の本部に転送するよ」 3701号の耳に、3702号のクリアな声が届いた。
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