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『どういうことだ? 正確に説明しろ』
3705号の怒鳴るような声がする。その声に混じって「大変、大変……」と繰り返す3710号の声があった。
「分からない。ゲル状の生物が3701号を襲った」
『アメーバみたいなやつか?』
「わからない。小さな生物の集合体か、一個の個体なのか……」
1歩、また1歩……、3702号は泥に足を埋める。外光を求めていた。
「キャー」
3710号の悲鳴が、全ての会話を遮断した。
『3710、どうした?』
その声に3702号の足が止まった。冷静さを取り戻したわけではなかった。恐怖を生み出す正体を、見ずにはいられなかったのだ。
振り返った彼が見たものは、急激に縮小する白い塊だった。それはずぶずぶと小さな泡を放出し、溶けるように半分ほどの大きさになって、周囲の床を白く染めた。
それからゆらりゆらりと流れるように動いたかと思うと、白い階段に移動して姿を隠した。
3701号が立っていた場所に残されていたのは、防護服と背負っていた荷物の一部分だった。
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