とある依頼

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とある依頼

わたしがその依頼を受けたのは、夏も終わりの季節でした。 わたしの家は代々強い霊能力を持つ者が生まれる為、家業は霊能力を使った仕事です。 主に心霊現象と思われることを解決するのが、わたし達の役目だと思っていました。 そういうふうに家族からも言われ、周囲の人達にも言われ続けてきたからです。 わたしの師にあたるのは、実の母親です。 その母から伝えられたのが、今回の件です。 母の友人の、そのまた友人の娘さんが、ちょっと困ったことになっているとのことでした。 実際、家を訪ねても良いと言われたので、わたしはその家に向かうことにしました。 家は普通の一戸建て。 しかしどこか黒く、重いモヤみたいなモノが家を取り囲んでいます。 手首に巻いている水晶の数珠を握りしめ、わたしはインターホンを鳴らしました。 出迎えてくれたのは、母の友人のそのまた友人さんと娘さんの二人。 二人とも暗い表情で、居間に通してくれました。 そして話を聞きます。 まずはどんな現象に悩まされているのか。 大学生だと言った娘さんは、重い口を開きます。 何でも今年の夏休みに、サークルで飲み会があったらしいです。 居酒屋で飲んだ後、みんなでカラオケに行き、日付が変わりそうになって慌てて解散をしました。 ですが娘さんを含めた数人の学生達が、帰り道の近くに墓場があることを言い出しました。
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