カッコウに追い出された…卵。

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さながら…カッコウに落とされた卵の様に、私たちは施設の前に置き去りにされていた。 私…しおりは、高級な服に、手触りのいいお包み。 洋服には刺繍、「しおり」。それだけが手掛かりで、私の名前。 平和で、情報の溢れるこの時代に、どうして親が見つからないのか? 見つけられたくないのだとしたら、私はいらない子だったのか…泣きたくなる。 そんな時、側にいてくれる親友……同じく、カッコウに落とされた卵。 しお……しおりの3日後に同じ場所に捨てられていた。汚れたお包みに包まれて、洋服も同じだった。 手掛かりは何もなく、酷く痩せていて元気もなかった。 母親らしいと思われる人の、メモが服に入っていた。 震えた字で、「連れて行けません。よろしくお願いします。-- - 」 最後は、何かが書いてあったであろう3文字の汚れ。 何処となく、しおりに似ていたのでご縁と思った施設長が一文字とり、「しお」と名付けた。 私達は、姿も似ていた…気もあった。 二人でいる事が幸せだった。 哀しみの中の光…お互いの存在がそうだった。
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