優しい眼差し

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「本当に、しおりは危険なのですか?」 怖々と聞いてみた。 「今はしおり様がいらっしゃるから、目がそちらに向いています。まだ安全だと言えます。そうでなければしおり様もお連れ出来ませんからね?」 それなら自分のしている事も無駄ではないと思えた。 「ですが…しおり様も十分にお気を付けて。」 信一に言われて頷き答えた。 「分かってます。しおりじゃないと、バレる事はしません。」 「違います。しおり様もお怪我をされない様、もしバレたとしてもお逃げ下さい。 危ないと思われたら、しおりじゃないと告白されてもお逃げ下さい。」 「それ…息子さんが聞いたら怒りませんか?」 「しおりお嬢様の事は私達もお守りしております。しおり様の事は息子が守るでしょう。あれはああ見えて不器用です。」 「息子さんが?守りませんよ?申し訳ないですけど…。顔を見れば嫌味ですもの。」 冗談ぽく、返した。 「ですから…不器用なのです。しおり様はどんな方か、聞いても良いでしょうか?」 「私、ですか?」 「はい、何がお好きですか?食べ物とか果物は何が?」 急な展開に困りながら考えて答えた。 「果物……。そうですね…八朔、とか?いちごかな?」 「ではお好きな食べ物は?」 「う~ん、難しいけど、ハンバーグ?」 「身長は割と高いですよね?」 「しおりは私より2センチ高いですよ?今はヒールを履かされているから、156ですね。」 「お二人でお暮らしの時はどんな感じですか?女の子二人だと華やかでしょうね?うちはあの息子一人で寂しいものです。」 「華やか…かどうかは分かりませんが、休みの日は二人で協力して、買い物とか掃除とか楽しかったですよ。」 本当に楽しかった。 思い出して泣きそうになった。 バックミラーでそれを確認すると、信一はすぐに謝った。 しおも、気にしないでと付け足して、二人の話をした。 嬉しそうな顔で信一は聞いていた。
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