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優しい眼差し
渡瀬 誠の父親は、紳士で車の運転も安全運転で、その上会話も楽しいものだった。
渡瀬の様に堅苦しい感じもなく、丁寧な言葉使いではあるが棘もなく、優しい父親の様な印象を受けた。
「お嬢様をこんな車で申し訳ないですね?我が家のプライベートな車なんですよ。」
「いえ、こちらこそ、急に申し訳ありません。もう1週間以上会えていないのでどうしても会いたくなってしまって…。」
「堂々と連れて行きたいとこですが、しおり様を堂々と連れ出すというのも無理ですし、しおりお嬢様の病室は現在、関係者以外は入れない事になっています。
親族以外面会謝絶です。」
「面会謝絶って…具合が悪い訳では、ないですよね?」
心配になり、聞いた。
この1週間、あの家の生活にいっぱいで、様子は聞いていたが渡瀬は変わりありませんと言うのみで不安になった。
「ええ、余分な人間を近付けない為です。」
信一は怖い顔で言った。
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