第1章 境界線

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家の中で、見えるものとはかけ離れた景色が広がっていた。 僕が立っている足もとは、床ではなくゴツゴツした石と土の道?のような歩ける場所。 そして、すごく遠くに感じる空の青。 後は、川が流れる音に山々が見えるだけで、田舎の風景が広がる。  「えぇーなんだ!ここは何処だ!」 すれ違う人は、僕を不思議そうな・・・ 変な目で見ていくが、僕のほうがさらに変な目で見ていたのだろうと思う。 声をかけるのに少し手を上げたが、固まってしまい声がでなかった。  「ぁ。」  《あ~声が出ない何か言わないと・・・》 僕の前を親子らしいふたりが通りすぎようとしてた、小さな子供が振り向き僕のほうへ歩いて来た。  《・・・なッ。》  「おっちゃん、芸人さん?どこのお寺で?」 子供に声をかけられ嬉しかったが、意味がわからずポカーン。 子供のとなりにいた大人が僕に話しかける。
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