第1章 境界線

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 きらびやかな建物の一階に歴史ただよう展示物。 簪、櫛に手鏡、着物、履き物、刀に書物などにいろいろある。 一階の窓ガラスに陽があたると、刀に反射し展示物がより一層輝いている。  漆塗りの小さな箪笥に鏡台の赤が血のようで少し不気味さがまじり僕の感じている空気とは別の世界が見え隠れしていた。  僕ですらわかるくらい、女性の物ばかりで短い刀と、守り刀と書いてある展示物も飾りが女性的。  それに、兜や鎧などは・・・と言うか胸部分は大きくウエスト部分は、細く小柄な甲冑みたいなものと薙刀だろう?そのふたつは端に立て掛けてある。 ダイナミックというよりは華麗で繊細なものがばかりで立ち止まり魅いってしまう。 魅いった時間(とき)がかなりたつと、空は暁に黄金色に染まり僕の視界がキラキラしている。   ・・・・・・・・ 眩しくて思わず右手の甲で左目を覆う。  「んッ」 《僕の目に映るあり得ない・・・》 ゴシゴシと右目を、擦りながら左目だけで見ると変な物は、僕の目には映り込まない。 僕のまなこは普通のものとは違っているのだろうか? 何故・・・ 思い当たる事を考えてもわからず答えが出ない。 何故、僕の右目は違う物が見えるのだろうか。 しかも、今のところ左目には、影響がなく安堵した。
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