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扉は、少し重くなかなかあかなかったが、脇にはさんだ本が落ちた頃には、扉は開き中に入れた。
扉のむこうが、両親の書斎だったのを後で知ることになる。
子供の記憶がチラ、チラリと覗かせて目の前に子供の頃の自分が歩いていた。
子供の頃の自分を、追いかけながら扉を開け中に入った。
両親の書斎には、年代物の書物が棚の上の紙箱の中で静かな時が流れていた。
埃の帽子に守られた色あせない白い紙が束になって頭上に落ちた。
「あっぃッう。」
白い紙と箱が散らばり、埃でむせた。
「ゴホッゴホッ。」
下に散らばる白い紙の中で、文字が立体的に見える紙が1枚何故かある。
よく見るために拾い、自分の部屋に隠した。
《ヤバッ》
僕は、慌てて書斎のかたずけに戻った。
紙箱を元の位置に戻し、あらかた埃を取ると部屋を後に・・・
《んッ!》
机?台の上にある大きなカタマリは、僕にわざと見せているようにきらびやかな光りをはなっている。
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