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「これって紫水晶・・・未来を予知すると言われている・・・なんでこれが?」
僕はあまり、水晶の事は知らないが、父の書斎の棚から、古く焦げ臭さがまじる大きな本に記されていた。
漢字を覚えたての僕が、一番下の隅に隠れるようにあった本に、話したのはかなり昔。
「大丈夫、痛くしないよ。」
小さな子供の頃になぜあの言葉を発したか未だにわからない。
でも優しく優しく包むように、胸に抱いた事は自分の意思だった。
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僕は引き寄せられるように水晶に顔を近付けた。
水晶が何か発する訳もないのに・・・
《僕に問いかけているのだろうか?》
水晶の塊からポロリ、欠片が落ちた。
水晶の塊は、見た目はかわりなく見え、僕は欠片をポケットにしまって部屋を出た。
「バタン」
書物と水晶の欠片・・・
関係があるのかないのか
それとも・・・古い本・・・
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