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「モォーネンッ スェックネス」  2学期がはじまった。席替えがあり、隣の席はニキータって女子になった。  僕はひそかに英語を勉強をしはじめた。  つわりがはじまったらしい。 「まだ小学生だろ?」  ニキータは日本語も理解できる。 「あー、演劇部なの」 「妊婦役?」 「そーゆーこと、デェーメッ」 「てめぇ?」 「日本語じゃ畜生だよ」  僕はメチャクチャ怖かった。  「何かあった?」 「本当は主役やりたかったのに脇役だよ、スギゾーのヤツ」 「スギゾー?」 「杉山孝三、略してスギゾー」 「ポケモンみたいだな?」  授業がはじまった。算数、先生はスギゾー。  教室がガヤガヤしてる。 「シッ」って静かにしろって意味でスギゾーが人差し指を立てた。 「クソッ?先生何かあったんですか?」 「えっ?」  Shitはシェッって言う。  ニキータにアメリカの話を聞いた。 「ナェアグワ フォーゥズ ハヴュ ベン ドゥ?」  ナイアガラの滝行ったことがある?って意味なのだが、後ろの席のカンタが「弁当がどーしたって?」って言った。  僕は笑いが止まらなかった。  
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