episode.4

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episode.4

『同情なんかじゃないもん!だって、ミキちゃん何も悪いことしてないじゃん!』 私の目をしっかり見つめながら、アリサちゃんは続ける。 『たしかに、さっきは怖かった…。 でも!ミキちゃんだって、視たくて視てるわけじゃないでしょ…?』 そう…私だって、視たくて視てるんじゃない。 視たくなくても、視えてしまうんだ。 『幽霊は、怖いよ…。でも、ミキちゃんのことは…怖くないもん』 アリサちゃんはそう言って、花が咲くように笑った。 『…!!!』 初めてだった。 うそつき、と言われなかったことも。 〝私〟を怖がらずに、笑いかけてくれたことも。 ……感情が、溢れる。 『ミキは、みんなには視えないものが視える、の…』 『うん』 『ほんとは…ミキも、怖い、の…』 『うん』 『ミキは…うそつきなんかじゃ…ない、のに…!!』 『うんっ!』 涙がボロボロと溢れて止まらない。 私が一番、みんなにわかって欲しかったこと。 アリサちゃんが、私の心の中にある、枷を外してくれた。 『今日からわたしとミキちゃんは、親友ね!』 『うんっ…!!』 「…懐かしい、な」 はぁ、とため息をつく。 高校生になったことをきっかけに、私は有紗ちゃんの家を出て、一人暮らしをはじめた。 それからはずっと一人だった。 学校にも、特に仲のいい子はいない。 家に帰っても、〝おかえり〟と言ってくれる人はいない。 さみしくない、と言えば、それは嘘だ。 でも…さみしくない。大丈夫、一人なんて、昔から慣れてる。 そう思わなければ、不安で、怖くて…たまらなくなる。
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