episode.3

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episode.3

…〝うそつき〟。 私がそう呼ばれるのには理由があった。 どうやら私は生まれつき霊感が強いらしく、 みんなには見えないモノが視えてしまっていた。 死んでしまったペットを思い出して、 泣き出してしまった当時の友達に、 『大丈夫だよ。リオくんはずっと、レイちゃんのそばにいるよ!ほら、今も。そこにいるもん』 その一言が…全ての始まり。 そして、全ての終わりだった。 きっとアリサちゃんは、あの子から全てを聞くだろう。 そうしたら、もう…私の事なんて、嫌いになってしまう。 そう思うと、悲しくて苦しくて…涙がボロボロ零れてきた。 『ぅ…っく』 (どうして…?なんで、なんでミキはみんなと違うの?ミキだって…) 『ミキちゃんっ!』 ハッとして顔を上げると、走ってきたのだろうか… 息を切らしたアリサちゃんがいた。 『ア、リサちゃ…』 『ミキちゃんってば、急に走って行っちゃうからびっくりしたよ』 そう言って苦笑いするアリサちゃん。 ……嬉しかった。 あの日から、みんな私を〝うそつき〟と罵って避ける。 こうしてアリサちゃんみたいに、 私のことを一生懸命追いかけてきてくれる人なんて居なかったのだ。 …でも、こんなに優しい子が私なんかのせいで、 みんなから仲間外れにされるなんて、嫌だった。 『なんで…なんで、起きかけてきたの?ミキのことなんて放っておいていいよ。ミキ、独りなんて慣れてるから』 冷たく、淡々としゃべる。 『…なんで、そんな悲しいこと言うの?』 アリサちゃんの顔が歪む。 それに少し心を痛めながらも、私は続ける。 『ミキね、幽霊が視えるの。そこにも、そこにも。…アリサちゃんの後ろにも、いるよ。』 私がそう言うとアリサちゃんは、勢いよく後ろを振り返る。 『気持ち、悪いでしょ?みんなには視えないのに、ミキには視えるの』 だから… 『もういいでしょ?…ミキに、同情なんて…』 〝しないでいいよ〟そう続くはずだった。 でも、それは 『違うよ!!』 というアリサちゃんの言葉によって、遮られた。
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