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第2夢
「何言ってんだこの女・・・。」
「知るかよ、もういいからやっちまえ面倒くせぇ・・・。」
迫り来る不良たち、そしてついにそのこぶしが振り下ろされようというその瞬間・・・
ガッという鈍い音が響く、しかし痛みはなく奈緒は何事かとそっと顔を上げる。
すると、そこには和服を着た一人の男がそこに立ち、
奈緒に振り下ろされたこぶしをがっしりと受け止めていた。
「(うおおおおお!姫(私)の窮地でついに私の王子様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!?)」
興奮で胸が高鳴る奈緒。
「こんなガキ一人にてめえらいったい何人がかりだ雑魚。」
「何なんだよてめぇは!おいおっさんそこどけろ!殺すぞアァ!?」
次々と恫喝し罵声を浴びせる紅蓮。
しかし、和服の男はそれに一切動じることもなくそこに立つ。
「その女もろともやっちまえ!」
紅蓮のメンバーが一斉に襲い掛かる!
一分後・・・。
そこに立っていたのは和服の男ただ一人だった。
「何が起こったの今・・・・・。」
まさに一瞬の出来事だった。
迫りくる不良たちを次々になぎ倒したその男は息一つ切らせてはいない。
「あなたが私の白馬の王子様ですか!?」
キラキラと目を輝かせ男の前に立つ奈緒。
「あ・・・・・?」
状況がつかめていない和服の男。
「あなたは私の白馬の王子様なんですよね!?かっこいい・・・。」
「何だか知らんがこれは俺の気まぐれだ、さっさと消え失せろクソガキ。」
お、おやおや・・・?お口があまりよろしくない・・・?
「え、えっとー・・・あの、あなた様のお名前は?」
ギロリと奈緒を睨みつける。
「人間とこれ以上慣れ合う気はない、消えろ!あいつらと同様になりたくなければな!」
「あなた人間じゃないんですか!?じゃあそんなに強いわけですよね!!」
「・・・・・(あれ・・・?脅したはずだよな今。)」
「あなたは悪魔ですか?妖怪ですか!?それとも鬼とか!?色々可能性が・・・。
だとするともっと別の存在の可能性も・・・?今は人間に化けてるんですよね!?
すごいなあこれが人間に成りすましてこの世界に入り込む方法なんですね!!
この方法は自分の術ですか!それともあなたの世界で作られた人間に化ける薬とか!?
その世界からこの世界への移動法は!?時空を裂いてみたいな!すっごーい!」
「(俺が逃げなきゃ・・・。)」
死の淵を悟る男であった。
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