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小学校からいじめによくあう...体質という訳ではないであろうけど小中高といじめの内容は違えど理由はみんな口を揃えてこう言った
「偽善者」
「見せかけ」
「正義ぶっている」
ただ恥ずかしくないように、ただみんなのために色々してきただけだった。見返りを求めるなんてしない。敬えとも思わない。
でも、こんな仕打ちはないだろうと、どこかでみんなを憎んでいた。
「こんなことなら助けてあげるんじゃなかった」
「あの時見過ごしていればよかった」
「なんで、どうして」
そんなことをずっと思っていた。
でも、少しして違うと分かった。
私はお礼をしてほしいからやったのではない。みんなを助けて、優しい立派な人になって、父と母に恥ずかしくないように生きようとしたと決めたから。
...みんなが笑顔でいてくれるようにしたかったから。
そうして私は私の正義を貫いてきた。
でも、私は素晴らしいと言われるほどできた人間ではなかった。
一度だけ、仕返しをしてしまった。
教室の清掃を押し付けた人達が帰ったのを見計らって私も帰った。もちろん翌日彼女らは叱られていた。それを見て「ざまあ」と思ってしまった。
*
...今になれば後悔している。恥ずかしさもある。私はなんて小さな人間なのだろう、と。
「ちっさ!!!」
「え...?」
頭の中を読まれたらしい。
「そこまでされて嫌がらない人間などほとんどいないわ。明らかに人として当たり前の抗議よ。」
「仕返し小さすぎる気もするがの...」
困ったようにクーディオという神様が言う。
「頑張ったんだね。お疲れ様。
もう...いいんだよ」
本当は、悲しくて苦しくて辛くて、
もう何もかも放り出してやめたくて、でも、どうしようもなくて...
社会人になってからも友達と呼べる人はいないし、本当は...ずっと...
「嫌だった...もう、やめてしまおうと思って...でも、怖くて...」
涙ながらに話すとまた涙を拭ってくれた神様が私に意外なことを告げた。
本当に予想だにしなかったことだ。
「わしらは世界に直接干渉することはできん。じゃが死んだ者ならば多少することができる。
そこでわしらから"プレゼント"じゃ」
「というより、僕らの一方的なものだけどね!」
「プレゼント?」
「この現世...次なら前世ということになるけど、今の記憶をそのまま残して転生してみるのはどうかしらと思ってね」
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