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私がこんなに苦しんでいるのは誰のせいだ? 人や社会に憎しみを抱く原因は何だ? 私が死んだら解決するけれど、それよりも生きていることがまず問題だ。 生きているから、こんな目に遭うのだ。 では、何故私は生まれたのだ? 親だ。 親のせいだ。 思い出した。 いつだって父親は私を苦しめてきた。 愛や思いやりを感じたことなんて一度もない。 理不尽な怒りをぶつけられる日々。 存在するだけで私は苦しめられる。 こいつのせいだ。 すべての苦しみはこいつが元凶だ。 こいつが私を作ったせいでこんなにも苦しい人生を歩まなくてはいけなくなった。 私が死ぬ前に復讐はしておこう。 どうせ死ぬなら、気晴らししたっていいだろう。 なんということだ。 今この瞬間がこれまでの人生の中で最も幸せを感じている。 溜まりに溜まった鬱憤を吐き出す方法。 本当はわかっていたのだが、それを実行する勇気が出なかった。 簡単だった。 ただ元凶を消し去るだけで私はこんなにも幸せになれるなんて。 もっと早く気づけばよかった。 苦しみながらいなくなってもらうことが私なりの親孝行だ。 これまでの苦しみをすべて込めて。 「私を作ったお前が悪い」 父親への復讐。 これこそが生きる理由だと確信した。
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