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「ねぇ、あれってどう思う?」
りんごを片手にそれを天井に向けて放り投げ、落ちてきたものを掴む。
オルメカはベッドに浅く腰掛けながら窓の方を向いている。その手の中にはりんごがある。
大衆酒場を後にした二人は近くの宿屋へと場所を移し、今は空いていた一部屋に腰を下ろしている。
「…酒場の人が話していた奇妙な人間の事か」
窓辺に腰掛けているソロモンは窓の外を見ながらその質問に答える。腕を組み、窓にもたれ掛かるような体勢だ。
窓の横に備え付けられているベッドに座るオルメカはりんごを齧りながら話す。
「そうそう。あのおばちゃんが話してた特徴…アイツ、だよね」
心底嫌そうな顔をしながらそう言った。どうやら、知り合いではあるが会いたくない相手といったところのようだ。
「…そうだな…。そうそういる特徴の持ち主ではないからな。…間違い無いだろうな」
ソロモンもまた嫌そうな渋い顔をしていた。
「…アイツ、絶対に辿り着いてはいないと思うんだよね」
「幻想図書館にか?」
「うん。何も無かったって言うのは嘘だと思う」
「根拠は?」
「ただの勘」
そう言いきったオルメカに対してソロモンは小さなため息をついた。
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