都市伝説 幻想図書館②

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「所蔵されている本のこととかは噂になってるけど、番人だとか水先案内人だとか、人に関する噂はないんだよね」 オルメカは飲み終えたフルーツ牛乳を机の上に置く。 「それってさ、木を隠すなら森の中、噂の中の真実…だったりしないかなって思うんだよね」 「誰かが噂の中に本当の情報を紛れ込ませたと?だが、辿り着いた人間がいるという話は聞こえてこない。代わりに出現情報は無数にあるがな…」 ベッドから飛び降り、伸びをする。 それから、オルメカは鏡の前に座り、ドライヤーで髪を乾かし始めた。 「そこなんだよね。出現情報は山ほどあるのに辿り着いて中に入った噂は聞かない。のに真実めいた噂が紛れてる」 髪を乾かしながらくるりと振り向き、ソロモンの方を見る。 「この都市伝説、何かおかしいよね?」 その言葉に、ソロモンは黙り下を向いた。目線の先にはウエストポーチから取り出した手帳がある。今までの情報をメモしていたようだ。そこには、酒場のおばちゃんが言っていたとある条件も記されている。 ー幻想図書館の出現条件ー
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