都市伝説 幻想図書館②

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「…もし、幻想図書館そのものが何らかの魔法で、魔法的条件が一致する場所にのみ出現しているなら、同じ場所に出現しない理由も推測できる」 ソロモンはパタンと手帳を閉じ、ウエストポーチにしまう。 「じゃあさ」 下を向いたままだったオルメカの視線がソロモンに向けられる。その表情には何か張り詰めた緊張感があった。 「…じゃあさ、なんで都市伝説が「図書館」ってなったんだろう。入ったことない、入れない魔法なら、何の建物かなんてわからない。…なのに図書館である噂は流れてて、アイツが言ってたのには番人が出てくるし。…私が聞いた噂には水先案内人の美少年が出てくる…。これって…」 少し間をおいてから、続きを話す。 「最初に辿り着いた人は確かに存在した。その人からの情報が噂の中の真実として口伝されてる…ってことにはならない?」 「ただし、辿り着いた人その者の事は語り継がれなかった、という事か?」 オルメカは頷く。 「アイツ、はさ、この最初に辿り着いた人を探し当てたんじゃないかな。で、話を聞いた」     
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