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アイツ…ソロモンはこの者の事をよくは知らないが、一度会ったことがある。とても絡みづらく嫌な性格だったといえるか…そんな印象の相手だ。だが、オルメカとは古い知り合いなようで…そこの間柄の事はソロモンは詳しく聞かされていないが、相手の行動パターンを読み合うくらいには親しいのだろう。
だとすれば、彼女が行動を読み取るならば、相手もこちらの行動を読み取れるのではないだろうか。もし、相手が先に情報を仕入れていたのなら、酒場のおばちゃんに話していた内容は彼女に対するヒント…だったりするのではないだろうか。
…そんな事を考えて、ソロモンは頭を横に振った。
出会った時の印象、オルメカから感じ取る印象…そのどちらも良い印象はない。わざわざヒントを残すような人間には思えない。あるとすれば、その先に別の企みがある時くらいだろうか。
「アイツのことだから、実際に幻想図書館内には入ってない。話を聞いただけ。でも完全な真実も言ってない。嘘と真実混ぜて噂にした。そういうことなんだろうね」
オルメカは不服そうにそう言った。どこか悔しそうでもある。
「多分、それなら説明つくんだよ。アイツが話聞いたのに実際には中に入ってないって理由の説明」
ソロモンは小首をかしげ尋ねる。
「どういう事だ?」
…おいなんだその小首をかしげる感じは。可愛いなおい!
そう心の中で考えながら小首をかしげるソロモンを見つつオルメカは、
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