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昨日、この街に着いたのだが、その足のまま大衆酒場へ向かい、その後は宿屋へと落ち着いてしまった。その為、街のことはよくわかっていない。
「ほう…。かなり栄えた街のようだな。貿易の街…だからこの街に来たがっていたのか…」
独り言のようにぶつぶつと呟きながらパンフレットを読む。
情報を集めるなら港!とオルメカが言うのでそれに従ってこの街にやってきたのだ。
彼女曰く、二人が滞在するこの国の中では大型の貿易都市らしい。ソロモン自身も色々勝手がわかっていないので、彼女に従うしかない面がある。
「まず…何処から向かうかだな…」
パラパラとパンフレットを捲る。昨日の仮説からして出現するとすれば…そんな風に考えながらマップを眺め、ふと、隣にいるはずのオルメカを捜す。
視界にその姿が映らない。
…何処に行ったんだ?そう思い辺りを見渡すが、姿が見当たらない。カサカサと風に吹かれてパンフレットが音を立てる。
「オルーーー」
大きな声で呼びかけてみようかと、名前を叫ぼうとした瞬間、その声は下から聞こえてきた。
「あーっ!あったあった!」
ビクッと少し驚き、荷物の辺りを見るとそこにはカバン漁っていただろうオルメカの姿あった。
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