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足下で荷物を漁っていたため、背の高いソロモンの視界からは外れていたようだ。そんなソロモンを知ってか知らずか、彼女は顔を上げ、手にノートを持って見せた。
「じゃじゃーん!オルメカお手製スクラップブック!」
自慢げにそれをソロモンに開いて見せる。その中にはこのヒストアの街の事がまとめてスクラップされていた。
海洋騎士団のショーやガルデア大聖堂などの観光地だけでなく、グルメやお土産、裏スポットなど詳細にまとめられている。
「…よくここまで調べたな。まるで一度来たことがあるみたいだ」
それくらい、上手くまとめられているのだ。
ページを最初に戻す。その見開きには世界地図が貼られていた。その上には印が至る所に付けられている。
「この印は…?」
隣で自慢げに立っているオルメカに聞く。
聞かれた彼女はやはり自慢げに答える。
「ふっふっふ!よくぞ聞いてくれました!それはね、幻想図書館が出現したって噂の場所だよ!これでもねぇ、ちゃんと調べてるんだから!」
…なるほど。ちゃんと調べているんだな。なんとなく温かい目で彼女を見る。
まるで子供の自由研究の成果を見せてもらっている父親のような気分だ。
そんな意味の視線とは露知らず、オルメカは更に自慢げにドヤ顔をしている。
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