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「あ、あんれまー!兄ちゃんは随分とべっぴんさんだねぇ!って、いやー男の人にべっぴんさんはちと失礼だったかねぇ!」
ほんのり頬を赤く染め、おばちゃんは有名人でも見たかのように小躍りしている。
…いやまぁ、当然ですとも。だって彼は私のお眼鏡にかなったんだもの。カッコイイでしょう?綺麗でしょう?…美男子でしょう…!?
そんなことを考えているのがバレたのか、彼から送られる視線がとても冷たいことに気づいた。
…あれ?なんで心が読まれてんの??エスパーだったの!??
「お褒め頂きありがとうございます。それで、何か幻想図書館についてご存知なことが?」
青年は軽く慌てている少女を差し置いて話を続ける。
そう促されて、小躍りしていたおばちゃんも我に返る。
「ご存知って言ってもねぇ…あたしも聞いただけだから詳しくはしらないけどねぇ」
そう言ってお盆をテーブルに置き、空いていた席にどかっと腰掛ける。
…あれ?それどっかのテーブルの注文じゃないの?
思わず少女は瞬きをする。
すると、若い女の子の定員がふらりと現れ、おばちゃんが置いたお盆と注文を手に取る。にっこりと笑顔で挨拶され、少女も思わずぺこりと頭下げる。そして注文品を運んで行った。
少女がそう注文品と若い女の子の定員に気を取られている間にも、青年とおばちゃんは話を進めていた。
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