転生

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目を覚ますと、見慣れない景色が広がっていた。 たくさんの枯れたお花に、大きなお城。 とてもアンバランスだった。 別の国のように思えた。 「雅さま」 誰かに呼ばれた。 結構かっこいい若い男の人だった。 自分を呼んでいることに気づき、戸惑う。 だいぶイケメン好きだから、ドキドキした。 「あっ……あの……どなたですか?」 「雅さまがおかしくなったぁ?!」 行きなり騒ぎだした。 さっきまで落ち着いた雰囲気だったのに。 よく見たら髪が赤い。 不思議な人……。 「どうしましたか?アカ」 髪が青い人が近づいてきた。 アカ。 確かにこの人はそう言った。 髪が赤い人の名前がアカって…… 「フフフッ…」 笑ってしまった。 「雅さま?!」 2人に驚かれた。 失礼なことをされたからかな? 「ごめんなさい。面白くて……」 正直に言った。 「失礼ですが……雅さま。アカの名前をつけたのはあなた様ですよ」 眉間にシワをよせながら言われた。 私が名前を? 初対面なのに? 「あの……私はあなたたちのことを知りません。あなたたちは私のことを知っているのですか?」 また驚かれた。 アカは目を見開いているし、青い髪の人はかたまっている。 「本当になんにも覚えてないのか?」 タメ口。 でもなんかそのほうが彼らしいと思った。 「はい」 「雅さま、あなたは敬語など使わなくてもよいのですよ。この国の姫なのですから」 姫? 私が? ま、まぁ……ドレスとか着てみたいけど……。 「雅さま、申し訳ございません。アカがご無礼なことを……」 無礼? あ、タメ口使ったから? 「いいよ。アカ、そのままで大丈夫。そのほうがあなたらしい」 笑顔で言うと、アカは土下座をした。 「相当怒っているのですね……すみませんでした!」 ええ……? 私どんなふうに思われてんの? 「いいよ。気にしないで」 「あっれ~?アカくん、また怒られてるの?今度こそクビかもねー。ね?アオくん」 髪がみどりの人が来た。 ってことはこの人の名前はミドリ……? 「あのさ……あなた達が知ってる私のこと、教えてくれない?」 そう言った瞬間、視界が歪んで見えた。 立っているのもままならない状態。 そこで私の意識はプツリと途切れた。
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