7月2週目

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・爆睡  テスト期間が明けた。  とはいえ、進学を希望する生徒は、受験勉強も進めて行かなければならない。  一方で、部活も再開され、いよいよ3年生は最後の活動に向けて、各々力を注ぐことになる。 「――あかり、」  環菜は自席の横を通ったあかりを呼び止めた。 「呼んだ?」  あかり、誰に呼ばれたのか一瞬わからなかったようで、きょろきょろあたりを見回した。 「私、私」  環菜は自分を指さした。 「ああ、環菜か。どうかした?」 「うん。私もどうかした、って言いたくて」 「へ?」  環菜はあかりの向こう側を指さした。あかりが振り向く先には――自席で突っ伏して爆睡している清香がいる。 「1時間目、ずっと寝てた」 と環菜は言った。「どうしたの、あれ」 「ああ……。何だか、昨日あんまり寝てないみたい」 「具合が悪いわけでは?」 「ない、と本人は言ってるけどね」 「まあ……体調が悪いわけじゃないんだったら、授業中寝てるくらい、いいけどさ」 「――いいわけないでしょ」  いつの間に、璃子もいる。 「さすがに起こさなきゃ」  環菜と璃子、あかりも連れ立って、清香のもとへ行った。  肩が小さく上下に動いている。なかなかテンポが早い。当たり前だが、やはり座って突っ伏した姿勢の睡眠なんて、体にいいものではないはずだ。 「――清香」  環菜が清香の背中をたたいた。 「そろそろ起きたらどうだい」  清香の体がもぞもぞ動いた。ゆっくりと頭を上げる。 「夏目さん、おはようございます」 と環菜は言った。
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