話を巻き戻しその4 店内

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話を巻き戻しその4 店内

「すみません。」 私がそう言いながらドアを開けると、店内にいた人が一斉にこちらをむいた。 驚いたような目がこちらを見る。 と言っても、店内にいたのは店主らしい老婦人と小さな女の子の二人だけだったけど……。 そしてその女の子は、路地の中に入り、行方をくらませたあの少女にちがいなかった。 やっぱりこのお店にいたのね。 一瞬すれちがっただけだったのでよくわからなかったけど、思ったよりも小柄だった。 小学一~三年生くらいに見える。 そして、天使のようにかわいい、まるでお人形みたいに整った顔立ちをしていた。 くりくりした大きくてつぶらな瞳は、ビー玉みたいにまるい。 色は、海のように深く川の水のように澄んだきれいな青。 きらきらととっても楽しそうに明るく輝いている。 小さいけれどすっきりとすじの通った鼻。 優雅な弧を描いたまゆ。 ほんのり桜色に染まった頬。 色の白い肌。 つやつやした唇はバラみたいに赤い。 道ですれちがった男の子は全員ふりかえるだろうなって思わせる。 老婦人のほうは、白髪という年とったおばあさんのような言い方より月の光のように輝くきれいな銀髪と言ったほうがふさわしい色の髪を肩までたらしている。     
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