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話を巻き戻しその5 試験道中
「あれ?誰もいない?」
一週間後。
再びお店を訪れた私は、首をひねった。
予定時間より少し早く来すぎちゃったからかな……。
店内の時計と腕時計を見比べていると、四葉ちゃんが店に転がり込むように入ってきた。
「あっ、やっぱりここにいたんですか?早く行きましょう。車は外に止めてあるんですよ。」
「え、四葉ちゃんが車?」
「勘違いしているみたいいですけど、私は運転しません。運転手がいるんです。」
「ああ、そうなの?」
「まあ、車って言ってもさっき来たばかりですけどね。ほらっ、急がないと試験に遅れますよ?」
「あっ、うん。分かった。あの、運転するのってもしかして如月さん?お店にいないけど……。」
「いえ、違います。如月さんは今回の試験のゲストに御呼ばれすることになったので一足先に出かけているんですよ。突然だったので連絡する暇もなくお店を出ちゃいましたけどね。会場で待ってると思います。」
納得した私は四葉ちゃんに連れられるように外に出て……。
……。
………。
…………絶句した。
「あっ、あっ……、あっ、あの……。」
「どうしたんですか?」
「……あっ、あっ、あれ……なっ……な……何、なの……??」
「え?車の事ですか?」
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