3人が本棚に入れています
本棚に追加
「お、お邪魔します……。」
「こんにちは。」
部屋の中は至ってシンプル。
椅子があって、中央に横に長い机があってパソコンが乗っていて、奥に扉がついていて、何人かの人が椅子に座っている。
全員胸に『審査員』のプレートをつけて、首から名前を書いた札を下げていた。
如月さんはいない。
実践のほうの審査員だと言っていたけど、他の部屋で審査をしてるのかな?
残念……。
「えーっと、長谷蓮純さん、ですね。」
「はい、そうです。」
「あそこの向こう側の部屋に、最近悪夢に悩まされているAさんがいます。あ、仮名ですからね?えっと、Aさんの悩みを聞いて、どうすれば悪夢から解放されるか、話を聞いてアドバイスをしてあげてください。続いてこのパソコンで悪夢の症例を再現したキャラクターを作ったので、そのキャラクターの相談にも乗ってあげてください。重要なのはパソコンでの実践ですが、Aさんともしっかりお話をしてきてください。やり方はわかりましたか?」
「はい……大体は……。」
「大体?どこがわからないのですか?」
「あ、大体じゃなくて、全部わかりました!」
「わかりました。それでは行ってらっしゃい。」
扉が開かれ、質素な部屋と、椅子に座ってうつむいている女の子が姿を現した。
最初のコメントを投稿しよう!