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「柚原さん、今聞き捨てならないことが耳に入ってきたのですが、どういうことですか?」
うっかり口を滑らせてしまい、しまったとばかりに口を押さえる柚原さん。
「な、何でもない。独り言だ」
額からは汗が噴き出していた。
気まずい空気を一掃してくれたのは久弥さんだった。
「なんだここにいたのか。家中あちこち探し回ったんだよ。めぐみちゃん幸ちゃん。ランチに行くよ。優輝くんもどう?一緒に行かない?」
助けを求めるようにちらちらと橘さんを見る優輝くん。
昨日久弥さんに誘われた時は行かないって即答していた。
「意地を張らずに自分の気持ちに正直なればいいんですよ」
橘さんに言われ優輝くんが大きな声で行きたいと答えた。
「ハチも行きたいと言ってるぞ」
「行くとは言ってないぞ。俺を巻き込むな」
蜂谷さんの手を引っ張って青空さんが姿を見せた。
「久弥、それスイーツ食い放題か?」
「期間限定で駅構内にバイキング形式のレストランがオープンしたんだ。ドリンクもスイーツも食べ放題だ」
「よっしゃ」
小さくガッツポーズする青空さん。
「みんなで行ったほうが賑やかだし、それに蜂谷さんと青空さんがいれば鬼に金棒です。未知さん二人をお借りてもいいですか?」
「はい」
「はっちゃんとそらしゃんもいっちょ!」
「良かったね幸」
「うん!」
幸ちゃんとめぐみちゃんはすごく嬉しそうだった。
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