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「まま~まま~」
パタパタとスリッパの音を立てて走ってくる足音がだんだんと近付いてきて、びくっと肩が震えた。
お互い裸。しかも、ナカにはまだ彼のが挿ったままで。
一太の元気な声に、一気に現実に引き戻された。
「橘に一時間だけ子守りを頼んだんだ。どうしても未知としたいって」
彼の言葉に顔から火が出そうになった。そんな恥ずかしいこと、普通、言わないから。
「そうか?でも、嘘を言うよりいいだろう?」って彼。しれっとして悪びれる様子もない。
【遥琉さんのイジワル】
頬っぺたをこれでもかと膨らませ彼を睨み付けた。
「そう睨むな。かわいい顔が台無しだ。あとで濡れたタオルを持ってくるから、少しの間我慢してくれ。じゃあ、一旦、抜くぞ」
【一旦って・・・⁉遥琉さん】
嫌な予感がして恐る恐る彼を見上げた。
「全然足りない。満足する訳ないだろ。もっと時間をかけてじっくり味わって堪能しないと」
ニヤッと不敵な笑みを返されて、背筋にゾクっと寒気が走った。
「まま~どこ?」
一太の声がはっきりと聞こえてきて。彼の大きな手が腰を掴んだ。てっきり、そのまま持ち上げるのかと思っていたら。
【・・・ひゃ、あっ・・・】
腰をぐいっと押し付けてきて、たっぷりの蜜で蕩けきった花芽を
にゅるりと円を描くように切っ先で擦ってきたから、堪らず腕にしがみついた。
「未知のナカが気持ち良すぎて、出なくないって駄々してる。どうする?」
満面の笑みを浮かべる彼。なんでこうも意地悪するのかな?
【いいから抜いて‼一太に見られたらまずいから‼】
目に涙をいっぱい溜めぶんぶんと首を横に振った。
「泣き落としか?ただ煽ってるようにしか見えないぞ」
彼の口唇が目頭にふわりと触れた。火傷するくらい熱くて、身体にその熱が移ってきて、じんじんとまた体奥の芯が疼き始めた。
【・・・あっ、だ、だめ・・・】
狼狽え慌てた。いつ一太が駆け込んでくるか分からないのに。彼は止めるどころか下からの突き上げを再開した。しかもずんずんと最初から激しく。
「一太は、橘が連れていったから大丈夫だ。両隣の部屋でそれぞれイチャついているんだ。子供は立入禁止だ。この状況でも熟睡している遥香は、本当親思いだな」
両隣⁉
何のこと?
すぐには彼の言葉の意味を理解することは出来なかった。
「耳を澄ませてみろ。聞こえないか?うちの実家にはもう一組新婚バカップルがいるだろうが。俺らがはじめた途端、あいつらもはじめたようだ」
遥琉さんといい、心さんの彼といい、
なんで揃いも揃って・・・為す術もなく、抵抗する間もなく、快楽の海へ引き戻されたのはいうまでもない。
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