守り守られて生きていく

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「一太、何度も言ってるだろ?」 「えっとぉ~わすれた」 「あのな・・・」 けろっとして悪びれる様子もなく答える一太に、裕貴さん頭を抱えていた。 そんな二人のやり取りを眺めていた心さんがぷっと吹き出した。 「一太はね、裕お兄ちゃんよりパパが一番格好いいんだよね?」 「うん‼」 一太が大きく頷いた。隣で遥香も、ハルちゃんもパパすゅき、と弾む声で答えていた。 「どんなに頑張っても遥琉には敵わないよ」 いつも不機嫌そうにしている心さんが珍しく笑っていた。 遅番の彼を見送ったのち、心さんと裕貴さんに、しばらくの間借りることになった二間続きの客室に案内してもらった。 「必要なものは何でも言え。遠慮することはない」 裕貴さんありがとう、ぺこっと頭を下げた。 「一太、お兄ちゃんと何して遊ぶ?」 「おじちゃんはなにしてあそびたいの?」 「だから、おじちゃんじゃなくて、裕お兄ちゃん」 一太が相手だとどうも調子が狂う裕貴さん。怒るにも怒れなくて。結局、裕おじちゃんで落ち着いたみたい。 「五才児相手にムキになるなんて、裕貴らしくないよ」 頬杖をついて二人のやり取りを見ていた心さんも呆れ果ててた。 「小さい子どもがいるっていいね。大丈夫だよ、ボクは、五月蝿いって言わないから。静かなより賑やかな方がいいし」 何気に心さんと目が合った。 「お義姉さんって呼べばいいんでしょ。言われなくても分かってるし」 恥ずかしいのか耳まで顔を真っ赤にして。ぷっいっとそっぽを向かれた。 「じゃあ、俺もお義姉さんって呼ぼうかな?」 「遥琉に殺されても知らないよ」 「何それ⁉」 「裕貴さぁ、お義姉さんって付くエロ動画見すぎなの。絶対エッチなことしか考えてないでしょう」 心さん、子供達がいる前で、大人の話しはダメ‼ 「心がちゃんと構ってくれないからだろ?」 しかも痴話喧嘩まで始めるし。 「なに、まま⁉」 「どちたの⁉」 「何でもないから」 一太も遥香も、大きい目をくりくりさせて、興味津々。
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