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「あ~~!にいにとねえねばっかずるい!」
今度は幸ちゃんがムスっとした表情で駆けてきた。
「みゆちゃんもままたんがいい!」
橘さんは彼にだけなぜか手加減一切なし。塩対応で手厳しいけど、子どもたちにはとっても優しいから大人気だ。毎日ままたん争奪戦が繰り広げられている。
「優璃も姐さんもモテモテだからな。いちいち焼きもちを妬いてもいれないしな。オヤジの気持ちがよく分かる」
何やらぶつぶつと独り言を口にする柚原さんにおっかなびっくり声を掛けた。
「あの柚原さん、一目でいいから幸ちゃんに一央さんと会わせることは出来ますか?無理ならいいです」
「実はな、パパが来てると若いのに教えてもらったんだろう。大喜びで会いに行ったんだがタイミングが悪すぎた。にいにがパパに足で蹴られたところを見てしまったんだ。それから体の震えが止まらなくてな。七海にしがみつきしばらく離れなかったんだ。トラウマにならなきゃいいが」
柚原さんが眉を寄せ、不安を口にした。
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