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「何、どうしたの?お兄ちゃん、さっきから変だよ」
「そうかな・・・気のせいだよ」
視線が宙をさ迷っている。
なんか上の空って感じ。
やっぱ、ヘン。
「自然な未知を撮らせて欲しいんだ。だから、ラフな格好になって欲しい」
「ラフな格好?」
「うん。下着姿で・・・ダメかな・」
「別にいいけど・・・」
お兄ちゃんの頼みなら、仕方ないか。
ちょっと恥ずかしいけど・・・兄弟だし・・・
まぁ、いっか。
そんな簡単な気持ちで、汗で濡れているTシャツと、ジーパンを脱いで椅子に掛けた。
「さっきみたく、空を見上げて」
「うん」
「お尻・・・もう少し突き出して・・・・そう。すごく、色っぽいよ」
お兄ちゃんの言うがままにポーズを取らされ、数えきれないくらいのシャッター音が響いた。
「今度は、顔だけこっち向けて・・・そう。すごく、可愛いよ」
ファインダ―越しに僕を見詰めるお兄ちゃんの視線が、次第に、熱を帯びていく。
声も何だか、違う。
熱でもあるのかな?
顔が紅潮して、鼻息がさっきより、荒いような・・・
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