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なんだろう、僕まで体が熱くなってきたような・・・。
頭がくらくらしてきた。
「未知の顔、赤いぞ。大丈夫か?」
「お兄ちゃんが変な事ばっかり言うからでしょ!!」
「例えば、どんな事?」
「だから、その・・・色っぽいとか・・・可愛いとか・・・。僕、男なのに・・・」
言ってるこっちが恥ずかしくなる。
お陰で、顔がますます熱くなってきちゃった。
「半分は・・・だろ?」
ベットの端にゆっくりと腰を下ろすお兄ちゃん。
「柚奈さんの家系は、どういう訳か、両性の子が産まれるんだよね。遠縁の男の子は、不遇な境遇で育ったけど、好きな人と巡り会って、未知と同じ年で妊娠したと聞いた。おいで未知・・・」
笑顔で、両手を大きく広げるお兄ちゃん。
拒む事も出来たのに、その腕の中に、何故か自然と吸い込まれていった。
向かい合って、お兄ちゃんの膝の上にちょこんと座った。
真っ直ぐに見詰められ、ドクンドクンと心臓が今にも飛び出して来そうになった。
「お兄ちゃんと未知は・・・親子という運命の赤い糸で結ばれているんだ。このまま、駆け落ちして、お兄ちゃんと暮らさないか?」
意味がいまいち分らず、顔を上げると、お兄ちゃんの顔が近付いて来て、気が付いたら唇に口付けをされていた。
「もしかして初めて?」
きょとんとする僕に、お兄ちゃんは満足そうに微笑んだ。
「お、お兄ちゃん!!」
やっと状況が飲み込める様になり、顔から火が出るくらい恥ずかしくなったのはいうまでもない。
「未知・・・教えてあげる。出生の秘密を。その代わり、未知の初めては、全部お兄ちゃんが貰うからね」
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